こんにちは。Sawaoです。
昨日は当直でした。
したがって今日は明けで昼まででした。

ところで今日は前回に引き続き
双極性障害(躁うつ病)の薬物治療(うつ状態)について
日本うつ病学会治療ガイドラインを参照にさせていただき
つぶやきたいと思います。

うつ状態については
①過小診断されがち
②難治例が多い
③自殺のリスクが高い
④躁転のリスクがある
などの問題を抱えていると言われています。

Sawaoも実際の臨床現場で治療が難しいケースを多く経験しています。

薬物治療では、
気分安定薬であるリチウムや非定型抗精神病薬の
クエチアピンやオランザピンなどが推奨されています。
(ちなみに現在のところオランザピンのみが保険適応)

Sawaoとしても極力オランザピンなどを中心に
治療をしておりますが、治療が難渋する場合もあります。
(大抵は重いうつ状態が遷延するなど)
そのような場合は躁転のリスクがあるとはいえ、
やはり少量のSSRIなどの追加などを検討せざる得ない場合もあります。

もちろんガイドラインでは抗うつ薬の治療(特に三環系抗うつ薬の使用や
抗うつ薬のみでの治療)は推奨されていませんので
SSRIを使用する場合は
躁転のリスクやアクチベーションのリスクなどを
注意深く診ていかなければいけません。

抗うつ薬の治療につきましては
先日拝聴させていただいた研究会でTohen先生が
オランザピンとフルオキセチン(SSRI)の併用は
オランザピンのみやプラセボよりも効果が認められた
とおっしゃっておらました。

 (Tohen M et al: Arch Gen Psychiatry 60:1079-1088, 2003 参照)

SSRIなどの併用については更なるエビデンスの集積が
必要であると思います。