早期発見・早期治療が非常に重要です。
うつ病はいまや誰でもなりうる病気の1つであることが証明されてきております。
したがって日本においても10人に1人はうつ病になりうる時代になってきています。
さらにうつ病は2020年には虚血性疾患に次いで余命に損失を与える疾患の第2位になると予測されていますので、現在その対策が急務となっております。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが、なんらかの理由(性格的因子やストレスなどの環境因子など)により減少することで発症するといわれています。
性格的には真面目で完璧主義者、几帳面な性格の方がなりやすいと言われています。
環境因子としては、病気や怪我などの身体的なダメージ、子供の結婚(独立)更年期、失業、退職など失うことのむなしさ、家族や友人の死または離別、失恋など別れることの悲しみ、結婚・出産・転校・就職・受験・転勤・昇進などが発症因子と言われています。
うつ病は頭痛・頭重感、疲労・倦怠感、睡眠障害、食欲不振、めまい、吐き気などの身体症状の出現率が高く、日本ではうつ病の初期症状を呈した方の実に64%の方が内科を受診しておられます。
一方でうつ病の特徴的所見である抑うつ気分、不安・焦燥や意欲・興味の減退といった精神症状を訴えられる方は4%に留まっており、早期発見が遅れるケースも認められます。
したがってうつ病のサインを見逃さないことが大切です。
自分自身がうつ病を疑うとき
- ①
- 理由もなく悲しい、憂うつな気分
- ②
- 何事にも興味がわかない、楽しくない
- ③
- 食欲がない、急に痩せた
- ④
- 他人と接するのがおっくう
- ⑤
- 心配ごとが頭から離れない、常に不安を感じる
- ⑥
- 失敗や悲しみ・失望から立ち直れない
- ⑦
- 自分を責める、自分は価値がないと感じる
- ⑧
- 疲れやすい、元気がない
- ⑨
- 気力がわかない、何もする気がしない
- ⑩
- ものごとに集中できない、決断することができない
- ⑪
- 寝つきが悪く、朝早くに目が覚めてしまう
身近な人のうつ病を疑うとき
- ①
- 表情が暗い、元気がない
- ②
- 体調の不良を訴えることが増えた
- ③
- ミスが増えた、仕事がはかどらなくなった
- ④
- 飲酒量が増えた、刺激物を好んで食べたがる
- ⑤
- 1日のうち、特に朝方に調子がすぐれない
- ⑥
- 人づきあいを避けるようになった
- ⑦
- 口数が少なくなった
- ⑧
- 遅刻や欠勤をするようになった
- ⑨
- 趣味やスポーツ、外出をしなくなった
などの症状が見られていたら注意が必要です。抱え込まず、ご相談ください。
また、ほかの病気が原因でうつ病を発症することがあります。
脳の病気
脳腫瘍・脳血管障害・てんかん・認知症・パーキンソン病
それ以外の病気
糖尿病・甲状腺機能低下症・慢性関節リウマチ・更年期障害・がん
病気の治療薬の副作用でうつ病の症状が現れることもあります。
その上で抗うつ薬を中心とした薬物療法やカウンセリングや認知療法などの心理療法を組み合わせて症状を緩和していきます。
また、職場環境など環境調整を行うことでうつ病の方の不安が可能な限り軽減されることも大切です。
その上であせらず環境に適応できるようにサポートを行っていきます。