夜尿症とおねしょの違い
誰もが子どもの頃に経験がある「おねしょ」。幼少期では生理的な体の発達が未熟なため、夜寝ているときにトイレに起きられないまま排尿してしまいます。
両方とも、寝ている間の排尿という点では同じですが、一般的には6〜7歳になるまでには体の発達が追いつき、おねしょが少なく・または無くなってきます。それ以降の年齢になっても続くことがあれば「夜尿症」ということになります。
原因は様々ありますが、代表的なものに以下があげられます。
- ①夜間に作られる尿が多い
- 寝る前に水分を多く摂ると夜間に作られる尿が多くなることは想像できますが、もともと夜間作られる尿量が多い子がいます。これは、通常であれば成長とともに分泌が整う「夜間に作る尿をへらす」ホルモンが未熟なまま整わないためで、薬物治療などを行う場合があります。
- ②膀胱の未発達
- 子どもの成長にともなって、夜間につくられる尿をためておく膀胱も成長します。しかし、中には膀胱の発達が未熟で、十分に尿を溜められない子がいます。このタイプの場合、治療として寝ている間の膀胱を大きくする訓練などがあります。
- ③眠りが深い
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尿意を感じても、眠りが深いため目覚められない場合があります。
睡眠の質と夜間の尿についての関係はまだ解明されていませんが、子どもの睡眠が深いのは正常なことです。 - ④心理的要因
- 長らくおさまっていたおねしょが突然再発する場合は、何らかの不安や緊張などが原因の場合があります。また、叱られたりすることでさらに「おねしょをしてしまうのではないか」という不安から悪化することもありますので、本人が緊張しないよう計らってあげることも大切です。
遺糞症とは
本来排便すべき場所でないところで排便をしてしまう状態です。
もちろん、排便機能が整わない幼児などは当然のことですが、本来であれば「便意を感じてトイレに行く」という機能が備わってきているはずの4〜5歳を過ぎても治らなかったり、順調に成長していると思っていても突然できなくなったりすることがあり、これを「遺糞症」と呼んでいます。
多くは本人が気付いていないように見え、平気で下着に便をつけたまま過ごしていたりします。また、便秘を伴っていることも多く、うまく排便されずいっぱいになってしまった腸から漏れ出ている場合と、まれに意識的に自分が抱える不安や不満を表現していることもあると言われています。
子どもの便秘は、食生活以外にも「トイレが怖い」「日常的に何かのストレスを抱えている」などの心理的な不安で起こることもあり、原因を探ることが大切です。
そして、「また失敗した」というプレッシャーを与えるとますます不安を大きくしますので、子どもが不安を抱えないよう周囲が環境を作ることも大切です。