選択的減黙とは
言葉の理解や発達は正常であるにも関わらず、特定の場面では全く喋れないことがあります。
一般的には5歳前後で発症することが多く、男女比では女児のほうがやや多いことが分かっていますが、その原因は不明です。
家ではよく話すのに、学校や友達と遊んでいる場面では沈黙を続けるという場合が多いのですが、学校や友達にも特に支障がでないために、先生や周囲に気付かれにくい事があるようです。また、家族と楽しそうに話している中に、家族以外の人がその中に入ってきた途端に話さなくなったり、重度の場合は体の動作まで止まってしまう場合があります。
何かに対しての不安・緊張が元になっており、社交性不安障害を伴っていることが多くあります。「話させよう」として叱ったり話すことを強く促したりすると、かえって緊張が増大して悪化しますので、まずは不安を取り除いてあげることが大切です。本人も、「話したいのに話せない」と思っているのです。
また、治療には数年かかることもあり、焦らずに取り組むことが大切です。
社交性不安障害(SAD)
誰でも、人前に出て話す時や初めての人たちの中で入る時は、恥ずかしかったり緊張したりするものです。「失敗したらどうしよう」「この人達に何と思われているだろうか」と、手に汗をかいたり、声が震えてしまったり、緊張がもとで体に変化が生じることも少なくありません。
社交性不安障害とは、そういった症状の大きなものと考えると分かりやすいかもしれません。しかし、通常であればいずれ慣れてきて、それほどの苦痛では無くなってきます。
しかし、社交性不安障害では、いつまでも慣れることはなく、不安や苦痛が強すぎてそういった場面にでることをさけてしまい、日常生活が送れなくなってしまう状態です。
思春期前後から発症する事が多く、不登校や引きこもりの原因ともなっています。症状が長引き、慢性化すると、うつ病やパニック障害を引き起こしてしまうことがあるため、早期に正しい対処をすることが重要です。